アーカイブ ‘ 2009年 1月

生中継と不確実な未来

日曜日の夜に、「ほぼ日」で
糸井氏が作家の冷泉彰彦氏とオバマ大統領の就任演説についての対談した
音声を聞きました。
→ほぼ日「オバマさんなどについて冷泉彰彦さんと語る
驚いたのは、就任式直前のオバマ氏の表情について
糸井氏と冷泉氏が熱く語り合っていたこと。
“政治家の晴れがましい顔ではなく、緊張した顔だったのが好印象だった”
という内容でした。
私もNHKで就任演説の全内容を聞いてはいたのですが、
表情についてはほとんど気にとめなかったので、
そんなところに気づいていたのか、と衝撃だったのです。
まだまだ人の観察力が足りないなと反省。
それから、表情に気づかなかったのは生放送で見ていなかったことも
原因ではないかと思いました。
私が見た再放送では演説の様子はカットなしで放映されましたが、
その前のオバマ氏が出てくるのを待っている時間は、もちろんほとんど放送されていません。
でも、生放送で見ていると
オバマ氏が出てくるのを今か今かと待っている時間も長いんですよね。
だからオバマ氏が映された瞬間、その表情にも着目できる。
生放送ならではの醍醐味だと思います。
同じ日にたまたま大相撲の千秋楽、朝青龍と白鵬の結びの一番を見たのですが
何とも面白かった。
全勝の朝青龍が立会いに失敗して、あっさり白鵬に負ける。
その後横綱同士の優勝決定戦。
短い時間で気持ちを切り替える両横綱をリアルタイムで追う緊張感。
決定戦で勝った朝小龍のガッツポーズと笑顔の素敵だったこと!
後でニュースで同じ映像を一部分だけやりましたが、
生で追いかけたものとは断然の違いがありました。
あの嬉しい気持ちはやはり生で見たものとは全然違います。
思えば生放送と録画の違いって、もう結論が出ているかどうかの違い。
例え自分はまだ知らなくても、終わってしまったことかどうかで
見ている側の緊張感が全く違います。
“不確実な未来”というものを普段私は嫌っていて、
なるべく未来を予想しようとはしますが、
動物的な本能として、不確実性を楽しむということがあるのかもしれないですね。
そういえば、脳学者の池谷さんもそんなことを言っていたような?
また読み返してみようと思います。

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